私はかなり前(もう十数年前になります)から、ときどきWeb制作を手伝ってくれるパートナーを募集しています。その過程でずっと疑問に思っていることがあります。今日はそんな話をしたいと思います。

Web制作のパートナーを募集すると、過去の実績ということで、きれいな、あるいはカッコいいサイトの一覧が送られてきます。サイトのURLであったり、トップページの画像だったりします。

単なるデザイナーを募集しているのであれば、URLの一覧を送ってくれるだけでもいい場合もあります。デザインというのは見た目、つまり意匠だけでなく、レイアウトや動線などのUI設計を含みます。ですから、実際に動かしてみることができない画像だけというのは論外ですね。実際に動かして確認できるのであれば、デザインに関してはそれでもまあいいかと思います。

ただ、多くの場合、単なるデザイナーを募集しているわけではないのです。もちろん、コーディングなんかもやってもらわないといけませんよ。いろいろな閲覧環境で確認して、互換性が保たれているかなどは要チェックです。

そんなことよりも、本当に知りたいのは運用実績なんです。それらのWebサイトを制作し、運用した結果、どれだけの利益を顧客にもたらしたかなんです。

とはいえ、現実には、顧客のそうした情報を開示するのは難しいでしょうね。だから、自分のWebサイトの運用実績を示せばいいと思うのですが、実際にはなかなかそういう実績を示してくれません。

中には、きちんと自分のWebサイトを開設・運営して、そこで実績を上げている方もいます。けれども、多くの方は、自分のWebサイトがないとか、あったとしてもまともに運用してないとかが多いのです。

顧客に利益をもたらすWebサイトを制作するプロなのであれば、まずは自身のWebサイトを運営して集客すればいいはずですよね? なのに、なぜかそういうことはせずに、マッチングサイトや今ならクラウドソーシングに依存しているのです。

よく「金を買いませんか?」とか「不動産投資をしませんか?」とかいった電話やDMが来ますね。「そんなに儲かるんなら自分でやればいいのに」と思うのですが、その人たちは自分では手を出しません。成果が出るWeb制作のプロなのに、自分でWebサイトを作って成果を上げようとしないのは、同じぐらい胡散臭いと思いませんか?

独立して事業を開始したばかりの方など、それぞれ事情はあると思うので一概にはいえませんが、この辺りどうなんでしょうかねえ?

もし、自分は、きれいなサイト、カッコいいサイトを作るプロであって、成果を上げられるかどうかは自分の範疇ではないということであれば、正直にそう顧客に伝えるべきではないでしょうか? そうすれば、上流工程は別の担当者に任せるなど、いろいろ手の打ちようがあるというものです。そういう方は会社勤めをするか、客先常駐する方がいいと思いますよ。

嫌味でいっているように聞こえたら大変申し訳ありません。でも、嫌味でも何でもなくて、本当に素朴な疑問なんです。

あともう一点。Webサイトを開設していても、自分の本名も住所も電話番号もメールアドレスも掲載していない方が多いのはどうしてなんでしょうねえ? 個人情報を公開したくないなら、自営業なんかやらなければいいと思うのですが、違いますか?

本当に素朴な疑問なんです。