第6回 プログラムの開始と終了

C言語におけるプログラムの開始と終了の仕様は、C++とくらべるとずっと単純です。これは主として、C言語にはコンストラクタやデストラクタを持つオブジェクトが存在しないからです。

プログラムの開始

プログラムの開始時には、C++でいうところの静的初期化だけが行われ、動的初期化は行われません。コンストラクタを持つオブジェクトがないからですが、それ以外にも、静的記憶域期間を持つオブジェクトの初期化子には、定数式しか指定できないからでもあります。具体的には、

#include <math.h>
double sqrt2 = sqrt(2.0);  /* エラー */

のようなコードはコンパイルエラーになります。このことにより、C言語では、処理系が提供する開始処理(いわゆるスタートアップ)をのぞき、main より先に実行される処理がないことになります。

プログラムの終了

C言語では、デストラクタを持つオブジェクトが存在しないため、プログラムの終了は非常に簡単です。exit を呼び出して正常終了する場合、まずは atexit で登録した終了処理関数を呼び出します。次に、オープンしているすべての出力ストリームをフラッシュしたあと、入力・出力を問わずすべてのストリームをクローズします。そして、tmpfile で作成した一時ファイルを削除します。最後に、ホスト環境に制御を移します。終了コードがどのように扱われるかは、規格上は未規定です。

main 関数

C言語の main 関数は、C++の main 関数と同じですが、以下の点が異なります。

return 文を省略した場合の振る舞い

C++では、main 関数の return 文を省略した場合、関数の最後に return 0; を記述したのと同じ振る舞いになりました。しかし、C言語ではそのような気の利いた仕様はありませんので、main 関数はホスト環境に不定値を返すことになります。

main 関数の呼び出し

C++では、main 関数をプログラムから呼び出すことも、main 関数へのポインタを取得することもできませんでした。しかし、C言語では、他の関数と同じように、main 関数を呼び出すことも、main 関数へのポインタを取得することもできます。

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