開くこと、開くもの

日本語の文字体系というのは非常に贅沢で、少なくとも、ひらがな、カタカナ、漢字を使い分けることができます。さらにはローマ字を混ぜることもできるわけで、これほど豊かな文字体系を持つ言語というのは他に類を見ません。

小学校で漢字を習っているころは、最初は"かな書き"ばかりだったのが、国語学習が進むにつれて、少しずつ漢字が増えていきます。そのためか、漢字を多用している文章のほうが、かな書きの多い文章よりレベルが高いかのような誤解をしている人が少なくありません。

実際には、日本語の文章というのは、特別な理由がなければ、かな書きしても意味を取り違えることがないのであれば、かな書きをするほうが読みやすいのです。とくに、形式名詞、例えば「〜こと」や「〜もの」のような語を漢字で書く必要はほとんどありません。「開く事」、「開く物」ではなく、「開くこと」、「開くもの」とすべきなのです。

ところで、「こと」や「もの」はよいとして、今回なぜタイトルに「開く」を用いたかといえば、出版物では漢字をかな書きにすることを"開く"というからです。だから、「開くこと、開くもの」としました。

ただ、 何でもかんでもかな書きにすればよいかというと、決してそんなことはありません。新聞なんかは、常用漢字の制約から、いわゆる"まぜ書き"がよく行われます。しかし、そうした表記はどうしても意味を取りにくくなってしまいます。読みにくいのであれば、ルビを振るなり、カッコ書きするなりしておけばよいのです。本来の字を読めない場合の多くは、かなで書いたところで、どうせ意味はわからないのでしょうから。

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